当たり前の向こう側に〜牛飼いの水川さんを訪ねて
2020年12月01日
皆さんこんにちは〜
飛騨エシカルの室です。
夏から始まったこの活動、マイペースですが続けています。
色んなご意見大歓迎でございます。
ご意見ご感想はインスタのDMからお願いします。
インスタアカウントはこちら!
https://instagram.com/hidaethical?igshid=heir3ucmbfek
今回は、飛騨市河合町稲越で畜産業をされている水川さん夫妻のところへ行ってきました!
笑いの堪えない明るいご夫婦で、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。
飛騨エシカル始まって初の畜産農家さん。

令和2年 11月19日 曇り
牛舎に着くとたくさんの牛達と水川さんが、私を出迎えてくれた。
「モ〜モ〜」
と牛が鳴く中で始まる取材。
水川さんは、生まれも育ちも河合。
三人兄弟の末っ子で名古屋で自衛隊として働いていて、最初は牛飼いになるつもりはなかったそうだ。
でも、自衛隊の任期を終えたタイミングと飛騨市の畜産課から就農支援などのお話をもらい畜産の道へ一歩踏み出した。
そして、かわい牧場へ就職。
全くゼロからのスタートで色んな事を学んだ。
そして、
10年間勤めた後に、独立の道へ。
とても立派な牛舎は、まだ5年ほどしか経っておらず清掃も行き届いていてとても綺麗。

水川さんの親御さんも別で牛飼いをされている。
◆なぜ実家とは別でやっているのか?
いずれ親ができなくなった時に継ごうとは思っていたが、今すぐやろうとは思っていなかった。
そんな中、
『耕作放棄地を整備・活用する事を条件に畜産農家を支援する』という国の事業があることを知る。
5人以上手を挙げる人がいないと動かない事業。
そこで水川さんが5人目となり勢いで、手を挙げた。
「かわい牧場で10年働いた後に独立をした」と
簡単に話されていたが、ここに至るまでには並々ならぬ努力や苦労があった事でしょう。
それを1ミリも感じさせない水川さん、お話を掘り下げて根掘り葉掘り聞きました。
◆牛飼いにも種類があるのか?
まず乳用牛と肉用牛に分かれます。
その中でも肉用牛について詳しく説明すると、肉用牛は肉になる牛。
その中でまた分かれていて、①繁殖経営②肥育③一貫経営がある。
水川さんは、①の繁殖経営をしている。
別名ことりともいうが、母牛に種をつけて子牛を産ませて元気に育てたのち出荷する。
②の肥育は、子牛を買って大きく育てて肉にするために売る。
一貫経営は、①と②全ての事をやっている農家さん。
◆子牛が産まれてどのくらいで出荷されるのか?
9ヶ月程飼育して250キロ〜300キロの体重になり健康に育てあげた牛を肥育農家さんに出荷する。
可愛そうとかそういう感情はなく、元気に大きくなって欲しいという思いで出荷するそうだ。

◆飛騨牛とは?
岐阜県内で14ヶ月以上肥育された黒毛和種で、日本食肉格付協会の実施する枝肉格付けにおいて肉質等級5等級・4等級・3等級に認定された牛肉のみに与えられる銘柄。
それ以外は、黒毛和牛というくくりになる。
子牛が肉になるまで2年から2年半かかる。

その間、肥育農家さんによって大切に育てられる。
牛達には、管理カードの他に名前も付けなければいけない決まりがあり、雄は漢字、雌は平仮名で8文字以内という決まりがある。
あれは〇〇で優しい、あれは〇〇〇〇で気性が荒い、あれは〇〇っていう名前でおっとりしているなどと牛を見て教えてくれた。
たくさんいるのに、すっと名前や性格まで出てくる。
丁寧に真摯に育てているのが、そこからも伝わってきた。
◆牛が1年に産む数
牛が1年に産むのは一頭。
人と似ている。
出産にも立ち会うという水川さん。
出産はいつも本当に神秘的で感動するし毎回ジーンとすると奥さんの望美さんは言う。
私も牛の出産動画を見せて頂きました。
人も動物も同じで、感動しますね。

育児放棄をする母牛もいるので、そんな時は人口保育で育てる。

◆今までに出荷してお肉になった牛の数は?
2頭。
今の牛舎を建てて5年経ったが、まず繁殖するまでに2年〜3年かかる。
その後、出荷してお肉になるまでに肥育農家さんに2年から2年半育ててもらう。
なので、まだ2頭だけということ。
◆なぜお肉になったという事がわかったのか?
牛には一頭一頭登録コードと名前があり管理されている。
精肉屋さんで登録番号などを公表していて、たまたま知ったそうだ。
食べる人もどこで育てられた牛なのか分かるので、安心できる。
このお肉は、水川さんの所で出荷された牛のお肉。とっても美味しそう!

◆自分達の育てた牛の一部を頂く事が本来は大事
県外からも仕入れにくるため、水川さんの育てた子牛は、岐阜県内に出荷されるとは限らない。
そしてお肉になったことは自分で調べるしか方法がない。
でも「本当は最後まで責任を取らならん、命を扱っているからそこまでの責任はある」
と言われる水川さん。牛飼いとしての責任を日々果たそうと奮闘している。
◆牛飼いとして思うこと
「当たり前の裏では、生き物を育てて出荷し、屠殺する人達がいる、可哀想と思って食べてくれとは思わない、、、感謝して食べてくれたら嬉しい」
望美さんも、
「適量を作って、適量を食べて無駄がないようにしてほしい」と。
本当にその通りだ。
[飛騨エシカル調べ]********************************************************
日本の食品廃棄物等は年間2,759万トン、そのうち食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」の量は年間643万トンと推計されており、日本の人口1人当たりの食品ロス量は年間約51キログラムです。
******************************************************************************
◆水川さんは黒毛和牛専門でやっている。
牛は高く売れる保証もないしいつ何があるか分からないし、風評被害などの影響も受けやすいので怖い。
過去にも実際、畜産農家は、口蹄疫や原発事故の風評被害を受けたそうだ。
*******************************************************************************
私達は、消費者として上部だけの情報に惑わされてはいけない。
スーパーで買う野菜も同じ。
産地だけで判断してはいけないと思う。
自分でちゃんと調べてそれで本当に良くないというのなら別ですが、裏では一生懸命育てている人達がいる。
そしてそれを生業としてる方々がいる。
*******************************************************************************
◆母牛が一生のうちに産む数は?
1年に一回産んで、12〜13産する。
コスト的な事を考えると8頭くらい産んだら、経産牛市場へ出荷するのが一番いいが、農家さんによってまちまち。
ここで驚いたのが、どんな牛でも最後はお肉になるという事。
たくさん産んで最後まで命を全うするものはいない。
*********************************************************************************
その辺の事を知るとシビアな世界だとは思うが、私たちがスーパーで肉になったパックを見た時に可哀想だと思う人は少ない。
こういう事を知ると余計に食べ物のありがたみが分かる。
交雑牛などというラベルもスーパーに並んでいる。
これは、ホルスタインに和牛の精液をかけて肥育したもので、何の問題もない。
*********************************************************************************
◆なぜホルスに別の品種をかけ合わせるのか?
乳牛を飼っている人は当然妊娠していないと乳が出ないので困る。
そして、妊娠した時にメスが出た場合は母牛にしてまた乳牛にするが、オスは副産物になってしまう。
ホルスのオスも肥育して出荷したら肉になるが、やはりとても安い。
そこで、ホルスタインに和牛をかけて少しでも価値が上がるように育てる。
元々は同じ牛なので、全く問題はない。
そういった事もしっかり知った上で、お肉を買う時に選んで頂きたい。
牛飼いの一日とはどんなものなのか興味があり聞いてみた。
◆牛飼いの一日
午前中
餌やり。
畜舎の掃除。
飼料配合・準備
牛の体調管理
あれば出荷。
午後
餌やり
畜舎の掃除
飼料配合・準備
堆肥出し、オガクズ引き取り。
水川さんは、牛の削蹄、人工受精も全て自分で行う。

牛飼いは大変そうだとかよく言われるけど、自分にとってはそんなに大変なことではない。
ただ、出産は予定日があっても前後1ヶ月くらいは決まった予定が立てられないので、そこが大変。
出産は頻繁に起こるわけではないが、いつ何が起こるかわからない。
大体、8割〜9割りが自力で産むが、たまに手伝う事もある。
◆一番大変だった出産は?
子牛がお腹の中で大きくなり過ぎて、途中から引っかかり出てこれなくなってしまった時に、もう出かかっていたため、帝王切開もできず子牛の足にロープをつけてトラクターで引っ張りやっとで産まれたことがあった。
とても大変だったが、その後ちゃんと元気に育てて出荷。
たまに、早産や親に踏まれて亡くなってしまう牛もいる。
それは頻繁にはないが、生き物を育てている以上は少なからずある事。
だからこそ、一頭一頭大切に誠意を持って育てている。
◆牛に心を見透かされていると感じることは?
なんとなく感じる事がある。
イライラして牛舎に行くと牛も暴れたりするし、愛情を持って接するとちゃんと牛も返してくれるような気がすると水川さん。
望美さんは、無意識で毎朝「おはよー!おはよ〜!」と牛達に声をかけてしまうそうだ。

牛飼いはみんな無意識で牛に声を掛けてしまうそうだ。
************************************************************************************
愛情いっぱいに可愛がって育てている。
以前取材した農家さんも野菜に語りかけていた。
無意識に声をかけてしまうのは可愛くて仕方ないんじゃないかなぁと思った。
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◆牛飼いとしてのプライドは?
最初はプライドなんていうものはないと照れ笑いしている水川さんでしたが、
「一次産業はかっこいい、それが誇りです。生産はゼロから生み出す大切な仕事、それをできている事がありがたい。」
◆今回、なぜ取材を受けてくださったのか?
畜産の根本的な事を知って欲しかった。
当たり前のように食べている牛の肉、その裏ではこんな事をしているということ。
**************************************************************************************
今回の取材では、たくさんの学びがありました。
まず、当たり前のように食べている肉、その裏では、雨の日も台風の日もどんな時も生き物を育てている人がいる、そしてその生き物を屠殺して肉にしたり革製品にしたりする人がいる。
当たり前の向こう側に、そういった人達がいることを私達は忘れてはならないし、もっと感謝するべきではないだろうか。
最近では菜食主義者やヴィーガンなどといい、動物の肉や動物からできた加工品を一切食べないという思考の人もいる。
個人の自由なのでそれはそれでいいと思う。
だからといって肉を食べるのはやめようとか、家畜のメタンガスが環境破壊になると拡散するのは違うのかなぁと思う。
昔から私たち人間は、動物と共存し生きるために動物を食べてきた。
人間が一番偉くはない、動物の大切な命を分けてもらっている。
だからこそ、無駄がないように大切に頂かなければいけないし、「いただきます!」は心を込めて言いいたい。
昔と違って食べ物が溢れている時代。
私も含め子供達も食べ物があるのが当たり前の時代。
昔、祖父母から食べ物を粗末にしたらバチが当たるとよく言われましたが、今回の取材を通して、その芯の部分を少し学ばせて頂きました。
人手不足、後継者不足、国際的な競争など課題の多い畜産業ですが、水川さんの記事を読んで頂いた方が少しでも興味を持って頂けたら、嬉しいです。
そしてなんといっても、飛騨牛は本当に美味しいです。
ぜひこの年末は、みなさんに地元飛騨のお肉を味わって頂きたいです!
水川夫妻!お忙しい中分かりやすく丁寧に教えて下さり、ありがとうございました〜!!

産まれた子牛は、乳離れするまで母牛と同じ牛舎で暮らす。
とてもほっこりする後ろ姿。

一緒にお手伝いする水川さんのお子さん。

遊休農地で自給飼料を作っているところ。
飛騨エシカルの室です。
夏から始まったこの活動、マイペースですが続けています。
色んなご意見大歓迎でございます。
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今回は、飛騨市河合町稲越で畜産業をされている水川さん夫妻のところへ行ってきました!
笑いの堪えない明るいご夫婦で、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。
飛騨エシカル始まって初の畜産農家さん。

令和2年 11月19日 曇り
牛舎に着くとたくさんの牛達と水川さんが、私を出迎えてくれた。
「モ〜モ〜」
と牛が鳴く中で始まる取材。
水川さんは、生まれも育ちも河合。
三人兄弟の末っ子で名古屋で自衛隊として働いていて、最初は牛飼いになるつもりはなかったそうだ。
でも、自衛隊の任期を終えたタイミングと飛騨市の畜産課から就農支援などのお話をもらい畜産の道へ一歩踏み出した。
そして、かわい牧場へ就職。
全くゼロからのスタートで色んな事を学んだ。
そして、
10年間勤めた後に、独立の道へ。
とても立派な牛舎は、まだ5年ほどしか経っておらず清掃も行き届いていてとても綺麗。

水川さんの親御さんも別で牛飼いをされている。
◆なぜ実家とは別でやっているのか?
いずれ親ができなくなった時に継ごうとは思っていたが、今すぐやろうとは思っていなかった。
そんな中、
『耕作放棄地を整備・活用する事を条件に畜産農家を支援する』という国の事業があることを知る。
5人以上手を挙げる人がいないと動かない事業。
そこで水川さんが5人目となり勢いで、手を挙げた。
「かわい牧場で10年働いた後に独立をした」と
簡単に話されていたが、ここに至るまでには並々ならぬ努力や苦労があった事でしょう。
それを1ミリも感じさせない水川さん、お話を掘り下げて根掘り葉掘り聞きました。
◆牛飼いにも種類があるのか?
まず乳用牛と肉用牛に分かれます。
その中でも肉用牛について詳しく説明すると、肉用牛は肉になる牛。
その中でまた分かれていて、①繁殖経営②肥育③一貫経営がある。
水川さんは、①の繁殖経営をしている。
別名ことりともいうが、母牛に種をつけて子牛を産ませて元気に育てたのち出荷する。
②の肥育は、子牛を買って大きく育てて肉にするために売る。
一貫経営は、①と②全ての事をやっている農家さん。
◆子牛が産まれてどのくらいで出荷されるのか?
9ヶ月程飼育して250キロ〜300キロの体重になり健康に育てあげた牛を肥育農家さんに出荷する。
可愛そうとかそういう感情はなく、元気に大きくなって欲しいという思いで出荷するそうだ。

◆飛騨牛とは?
岐阜県内で14ヶ月以上肥育された黒毛和種で、日本食肉格付協会の実施する枝肉格付けにおいて肉質等級5等級・4等級・3等級に認定された牛肉のみに与えられる銘柄。
それ以外は、黒毛和牛というくくりになる。
子牛が肉になるまで2年から2年半かかる。

その間、肥育農家さんによって大切に育てられる。
牛達には、管理カードの他に名前も付けなければいけない決まりがあり、雄は漢字、雌は平仮名で8文字以内という決まりがある。
あれは〇〇で優しい、あれは〇〇〇〇で気性が荒い、あれは〇〇っていう名前でおっとりしているなどと牛を見て教えてくれた。
たくさんいるのに、すっと名前や性格まで出てくる。
丁寧に真摯に育てているのが、そこからも伝わってきた。
◆牛が1年に産む数
牛が1年に産むのは一頭。
人と似ている。
出産にも立ち会うという水川さん。
出産はいつも本当に神秘的で感動するし毎回ジーンとすると奥さんの望美さんは言う。
私も牛の出産動画を見せて頂きました。
人も動物も同じで、感動しますね。

育児放棄をする母牛もいるので、そんな時は人口保育で育てる。

◆今までに出荷してお肉になった牛の数は?
2頭。
今の牛舎を建てて5年経ったが、まず繁殖するまでに2年〜3年かかる。
その後、出荷してお肉になるまでに肥育農家さんに2年から2年半育ててもらう。
なので、まだ2頭だけということ。
◆なぜお肉になったという事がわかったのか?
牛には一頭一頭登録コードと名前があり管理されている。
精肉屋さんで登録番号などを公表していて、たまたま知ったそうだ。
食べる人もどこで育てられた牛なのか分かるので、安心できる。
このお肉は、水川さんの所で出荷された牛のお肉。とっても美味しそう!

◆自分達の育てた牛の一部を頂く事が本来は大事
県外からも仕入れにくるため、水川さんの育てた子牛は、岐阜県内に出荷されるとは限らない。
そしてお肉になったことは自分で調べるしか方法がない。
でも「本当は最後まで責任を取らならん、命を扱っているからそこまでの責任はある」
と言われる水川さん。牛飼いとしての責任を日々果たそうと奮闘している。
◆牛飼いとして思うこと
「当たり前の裏では、生き物を育てて出荷し、屠殺する人達がいる、可哀想と思って食べてくれとは思わない、、、感謝して食べてくれたら嬉しい」
望美さんも、
「適量を作って、適量を食べて無駄がないようにしてほしい」と。
本当にその通りだ。
[飛騨エシカル調べ]********************************************************
日本の食品廃棄物等は年間2,759万トン、そのうち食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」の量は年間643万トンと推計されており、日本の人口1人当たりの食品ロス量は年間約51キログラムです。
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◆水川さんは黒毛和牛専門でやっている。
牛は高く売れる保証もないしいつ何があるか分からないし、風評被害などの影響も受けやすいので怖い。
過去にも実際、畜産農家は、口蹄疫や原発事故の風評被害を受けたそうだ。
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私達は、消費者として上部だけの情報に惑わされてはいけない。
スーパーで買う野菜も同じ。
産地だけで判断してはいけないと思う。
自分でちゃんと調べてそれで本当に良くないというのなら別ですが、裏では一生懸命育てている人達がいる。
そしてそれを生業としてる方々がいる。
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◆母牛が一生のうちに産む数は?
1年に一回産んで、12〜13産する。
コスト的な事を考えると8頭くらい産んだら、経産牛市場へ出荷するのが一番いいが、農家さんによってまちまち。
ここで驚いたのが、どんな牛でも最後はお肉になるという事。
たくさん産んで最後まで命を全うするものはいない。
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その辺の事を知るとシビアな世界だとは思うが、私たちがスーパーで肉になったパックを見た時に可哀想だと思う人は少ない。
こういう事を知ると余計に食べ物のありがたみが分かる。
交雑牛などというラベルもスーパーに並んでいる。
これは、ホルスタインに和牛の精液をかけて肥育したもので、何の問題もない。
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◆なぜホルスに別の品種をかけ合わせるのか?
乳牛を飼っている人は当然妊娠していないと乳が出ないので困る。
そして、妊娠した時にメスが出た場合は母牛にしてまた乳牛にするが、オスは副産物になってしまう。
ホルスのオスも肥育して出荷したら肉になるが、やはりとても安い。
そこで、ホルスタインに和牛をかけて少しでも価値が上がるように育てる。
元々は同じ牛なので、全く問題はない。
そういった事もしっかり知った上で、お肉を買う時に選んで頂きたい。
牛飼いの一日とはどんなものなのか興味があり聞いてみた。
◆牛飼いの一日
午前中
餌やり。
畜舎の掃除。
飼料配合・準備
牛の体調管理
あれば出荷。
午後
餌やり
畜舎の掃除
飼料配合・準備
堆肥出し、オガクズ引き取り。
水川さんは、牛の削蹄、人工受精も全て自分で行う。

牛飼いは大変そうだとかよく言われるけど、自分にとってはそんなに大変なことではない。
ただ、出産は予定日があっても前後1ヶ月くらいは決まった予定が立てられないので、そこが大変。
出産は頻繁に起こるわけではないが、いつ何が起こるかわからない。
大体、8割〜9割りが自力で産むが、たまに手伝う事もある。
◆一番大変だった出産は?
子牛がお腹の中で大きくなり過ぎて、途中から引っかかり出てこれなくなってしまった時に、もう出かかっていたため、帝王切開もできず子牛の足にロープをつけてトラクターで引っ張りやっとで産まれたことがあった。
とても大変だったが、その後ちゃんと元気に育てて出荷。
たまに、早産や親に踏まれて亡くなってしまう牛もいる。
それは頻繁にはないが、生き物を育てている以上は少なからずある事。
だからこそ、一頭一頭大切に誠意を持って育てている。
◆牛に心を見透かされていると感じることは?
なんとなく感じる事がある。
イライラして牛舎に行くと牛も暴れたりするし、愛情を持って接するとちゃんと牛も返してくれるような気がすると水川さん。
望美さんは、無意識で毎朝「おはよー!おはよ〜!」と牛達に声をかけてしまうそうだ。

牛飼いはみんな無意識で牛に声を掛けてしまうそうだ。
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愛情いっぱいに可愛がって育てている。
以前取材した農家さんも野菜に語りかけていた。
無意識に声をかけてしまうのは可愛くて仕方ないんじゃないかなぁと思った。
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◆牛飼いとしてのプライドは?
最初はプライドなんていうものはないと照れ笑いしている水川さんでしたが、
「一次産業はかっこいい、それが誇りです。生産はゼロから生み出す大切な仕事、それをできている事がありがたい。」
◆今回、なぜ取材を受けてくださったのか?
畜産の根本的な事を知って欲しかった。
当たり前のように食べている牛の肉、その裏ではこんな事をしているということ。
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今回の取材では、たくさんの学びがありました。
まず、当たり前のように食べている肉、その裏では、雨の日も台風の日もどんな時も生き物を育てている人がいる、そしてその生き物を屠殺して肉にしたり革製品にしたりする人がいる。
当たり前の向こう側に、そういった人達がいることを私達は忘れてはならないし、もっと感謝するべきではないだろうか。
最近では菜食主義者やヴィーガンなどといい、動物の肉や動物からできた加工品を一切食べないという思考の人もいる。
個人の自由なのでそれはそれでいいと思う。
だからといって肉を食べるのはやめようとか、家畜のメタンガスが環境破壊になると拡散するのは違うのかなぁと思う。
昔から私たち人間は、動物と共存し生きるために動物を食べてきた。
人間が一番偉くはない、動物の大切な命を分けてもらっている。
だからこそ、無駄がないように大切に頂かなければいけないし、「いただきます!」は心を込めて言いいたい。
昔と違って食べ物が溢れている時代。
私も含め子供達も食べ物があるのが当たり前の時代。
昔、祖父母から食べ物を粗末にしたらバチが当たるとよく言われましたが、今回の取材を通して、その芯の部分を少し学ばせて頂きました。
人手不足、後継者不足、国際的な競争など課題の多い畜産業ですが、水川さんの記事を読んで頂いた方が少しでも興味を持って頂けたら、嬉しいです。
そしてなんといっても、飛騨牛は本当に美味しいです。
ぜひこの年末は、みなさんに地元飛騨のお肉を味わって頂きたいです!
水川夫妻!お忙しい中分かりやすく丁寧に教えて下さり、ありがとうございました〜!!

産まれた子牛は、乳離れするまで母牛と同じ牛舎で暮らす。
とてもほっこりする後ろ姿。

一緒にお手伝いする水川さんのお子さん。

遊休農地で自給飼料を作っているところ。
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Posted by エムルーム妻 at 10:39│Comments(0)
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